ヒト幹細胞って何?
実年齢よりも若く見える人、それより老けて見える人がいます。
日本は長寿の国だと言われていますが、寿命にも差があります。
長生きの人と、そうでない人がいます。その違いは 生活習慣の違い? それも大きな理由だと言えます。その違いによって「あるもの」の数が変わってくるから、だと言ったほうがいいかもしれません。
“あるもの”とは、
私たちの身体にある
「幹細胞」
のこと。とても大切なもので、私たちはこれを生まれたときからずっと使い続けているのです。
幹細胞はお金のように、生きていくためになくてはならないもの。なくなれば生きられないのです。幹細胞は生まれたときが最も数が多く、成長の過程で多く使われ、身体がある程度できあがったときには、生まれたときの4分の1にまで減ります。消費するのは、誰にでも起こる自然な成長過程です。ただ、その後の消費のされ方次第で、若く見えるかどうか、長生きするかどうかが違ってくると言えます。
お金に例えられた幹細胞ですが、残念ながらお金と違い、生涯増やすことはできません。生まれたときに与えられたものを、大切に使っていくしかないのです。
幹細胞は、さまざまな細胞のもとになる細胞。私たちの身体を作る、60兆個もの細胞を作り出すもとになっているのです。肌も筋肉も骨も血液も、あらゆる組織・臓器は細胞でできています。細胞にも寿命があり、死を迎え、新たな細胞に生まれ変わります。
それぞれの粘膜細胞は常に生まれ変わりを繰り返していて、例えば胃や腸の内側を覆っている粘膜細胞は約24時間、肌の細胞は1〜2か月、血液に含まれる赤血球は約120日で新しい細胞に置き換えられます。その生まれ変わりに大きな役割を果たすのが幹細胞。幹細胞があるから、新しい細胞が供給され続けるのです。
幹細胞は、あまり働かされると消耗し数が減っていきます。その幹細胞の使われ方に差があるから、若さや寿命に差が出てくるのです。
細胞が本来の寿命よりも早く死を迎えた場合、幹細胞がより多く使われることになります。通常の生まれ変わり以外に、炎症があったり、ケガや病気などのアクシデントが起こることで細胞が予定より早く死を迎え、幹細胞の出番が増えてしまうのです。ケガや病気などが多い人は、幹細胞が消耗して、数が少なくなっていくと考えられるのです。
若くいるためには、限りある幹細胞を無駄使いしないこと、だと言えそうです。
幹細胞の種類は大きく分けて3つあり、 ヒト由来・植物由来・動物由来です。
ヒト幹細胞: ヒト由来の幹細胞。
医療や美容において頻繁に使われるのは、 ヒトの皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞。 医療機関では、 ヒトの脂肪組織から幹細胞を分離して培養して数千万個から1億個に増やして、 体に戻す治療が行われています。
幹細胞を培養する際の“上澄み液”(培養液)には、 多くの成長因子を含む百十種類の活性物質が含まれており、 その培養液を化粧品の材料ととして使用します。
人間の細胞の表面にはその特定の機能をスタートさせる “レセプター”というカギ穴のようなものがあり、 ヒト幹細胞培養液には、 その穴に合致するカギになる成分(成長因子や活性物質)が豊富に含まれ、 細胞が活性化し、 最も効果が期待できると考えられています。
ヒト幹細胞のスキンケア効果
赤ちゃんがシミ1つない透き通った肌なのに対し、 老化すると肌にシミやシワ、 クスミが出たり、 肌にたるみが出てきます。 これは、 肌の幹細胞の数が減り、 細胞を再生・修復・増殖させる働きが衰えてくる から。
しかし、 細胞を活性化させるヒト幹細胞由来の成分を与えることで幹細胞の働きを助け、 ターンオーバーのスピードも回復できることがわかってきたのです。
ヒト幹細胞培養液には、 様々な種類の サイトカイン (細胞を活性化する物質)や グロースファクター (成長因子。 細胞の増殖や分化を促進する物質)が溶け出し、 豊富に含まれている点が他のコスメとの大きな違いです。 これらがたっぷりと含まれた培養液を塗ることで、 皮膚組織の主要構成成分であるヒアルロン酸、 コラーゲン、 エラスチンを作り出すおおもとである線維芽細胞に働きかけ、 皮膚を張りと弾力性をあげる効果 が期待できます。 また、 角質細胞を活性化 させ、 肌のターンオーバーを促し、 肌の生まれ変わりを活性化させる 可能性があるのです。
さらに、 ヒト幹細胞コスメには、 発毛・増毛促進効果なども期待されています。
ヒト幹細胞培養液とは
ヒト幹細胞培養液に含まれている成長因子は、表皮幹細胞や真皮幹細胞に働きかけて、細胞の複製や分化を促します。その後、分化によって新たな表皮細胞や線維芽細胞がつくられます。
その結果、ターンオーバーが加速し、美容成分(コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなど)が増産されます。そして肌が健康的な状態を維持しやすくなり、シワやシミ、たるみ、毛穴の開きや黒ずみ、ほうれい線、くすみなどが緩和されるのです。
従来の基礎化粧品は、老化によって減少したコラーゲンやヒアルロン酸などの美容成分を直接肌に塗布して補う、というものでした。しかしヒト幹細胞培養液は、成長因子を肌に補給することで細胞を活性化させ、自ら美容成分を作り出せる肌を目指す点において、他のものと大きく異なります。
培養液に含まれる代表的な成長因子
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EGF(上皮細胞成長因子)…表皮幹細胞に働きかけ、ターンオーバーを促進させる
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FGF(線維芽細胞成長因子)…真皮幹細胞に働きかけ、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンなどの美容成分を増産させる。
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TGF(トランスフォーミング成長因子)…細胞の再生をサポートし、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンの産生を促す。
- (インスリン様成長因子)…細胞の再生をサポートし、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンの産生を促す。
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