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- 2021/04/14
- 日常
土用の丑の日
土用の丑の日とは
まず順番に『土用』とは。
四立(立春、立夏、立秋、立冬)の前、18日(または19日)の期間のことです。
《春夏秋冬の土用》
- 立春(2/4頃)の前約18日間:1/17~2/3頃
- 立夏(5/5頃)の前約18日間:4/17~5/4頃
- 立秋(8/7頃)の前約18日間:7/20~8/6頃
- 立冬(11/7頃)の前約18日間:10/20~11/6頃
一般的な夏の『土用丑の日』にあたる土用は、 立秋(8月6日or7日or8日)の18日前の期間です。
この土用というのは、“五行”で定められた暦で、 五行とは、木行・火行・土行・金行・水行。
- 木行:春
- 火行:夏
- 土行:季節の変わり目
- 金行:秋
- 水行:冬
このような季節の象徴となっています。
『丑の日』の意味
十二支の「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、兎(う)・・・」の丑のこと。
この十二支は『今年の干支』というように年を数えるときに使われるのが一般的ですが、 方角や、月、そして日にちを数えるのにも使われるのです。
土用の起源
土用は中国から伝わった「陰陽五行思想」に基づいています。
陰陽五行思想では、自然界は木・火・土・金・水の5つの要素から成り立っていると考えます。季節もこの5つの要素に当てはめて、春は木、夏は火、秋は金、冬は水の気と考えられました。そして、土は季節の変わり目である立春、立夏、立秋、立冬の前18日間に割り当てられました。この時季は土の気が盛んになるとされ、「土旺用事」と呼ばれ、それが「土用」となりました。
土用にまつわる行事と風習
季節の変わり目に当たる土用。それにまつわる行事や風習も残されています。
土用の虫干し
梅雨明けのころにやってくる夏土用。湿気やカビ、虫が気になるころです。
そこで、害虫やカビなどから衣類や本を守るために行われるのが「土用の虫干し」です。晴れた日が続いた乾燥した日に風通しの良い場所に陰干しをして風を通します。
昨今はエアコンや除湿機のおかげでこのような手間のかかることをする風景は見られなくなりましたが、寺院では今でも行っているところがあり、虫干しを兼ねて本尊などを特別に拝観できたりするそうです。
土用干し
田舎のおばあちゃんお手製の梅干しが毎年送られてくるというご家庭もあるのではないでしょうか? また、健康や食への関心が高まっている昨今、ご自分で梅干し作りに挑戦する方も増えてきているようです。
その梅干しづくりに欠かせないのが土用干しです。土用干しをすることで殺菌作用が働いて長期保存が可能になります。また、果肉が柔らかくなり、色も鮮やかになって風味が増し、味もまろやかになります。
この土用干しをするのも7月下旬から8月上旬ごろの夏土用のころです。
土用三郎
「土用三郎」。耳慣れない言葉ですが、これはその年の豊作を占うことです。また、その日を擬人化した言い方でもあります。
夏の土用に入ってから三日目のことで、この日が晴れなら豊作、雨だと凶作と言われています。
これと似た風習に彼岸太郎、八専次郎、寒四郎と呼ばれるものがあります。彼岸の一日目、八専の二日目、寒の四日目のことで、この日が晴天だとその年は豊作と言われます。
*「八専」というのは、日の干支が壬子(甲子から数えて49番目)から癸亥(同60番目)の間の12日間のうち、干・支ともに同じ五行となる壬子、甲寅、乙卯、丁巳、己未、庚申、辛酉、癸亥の8つ
*「寒四郎」の「寒」は、寒の入りのこと。
土用期間にやってはいけないと言われていること
土動かし
土用期間中は、土公神(どくしん・どこうしん)という陰陽道の土をつかさどる神様が支配するとか、土の中にいらっしゃると言われています。この期間は土を動かしてはいけないとされています。
土を動かすというのは、土いじり、草むしり、柱立て、基礎工事、壁塗り、井戸掘りなどを含む穴掘り、増改築などです。
なお、土用前に着手した農作業や増改築についてはやってもよいと言われています。
新しいこと
土用期間中は、転職、就職、結婚、結納、開業、開店、新居購入などの新しいこともしてはいけないと言われています。
土用はそれぞれの季節の変わり目にあたります。この時季は体調を崩しやすいものです。
昔は医学が発達していなかったため、体調の変化が生活に大きな変化を与えたり、病気が重くなったりしまいた。
そのために土用の期間中は新しいことは始めず、養生して過ごすようになったため、以下のことをしないという風習ができたのかもしれません。
旅行
おそらく体調を崩しやすい時季、昔は医学が発達していなかったという同じ理由からだと思いますが、土用期間の旅行もよくないとされています。