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- 2021/09/03
- 美容・健康
ビタミンCはちゃんと取ってますか?
ビタミンCの必要性
ビタミンCとは
ビタミンCは、水溶性ビタミンの一つで、16世紀から18世紀にかけての大航海時代に、新鮮な野菜や果物の摂取量が極端に少なかった船員たちの間で流行した、壊血病を予防する成分として、オレンジ果汁から発見されました。
多くの哺乳動物では、体内でブドウ糖からビタミンCを合成することができますが、人の他、モルモットなどの一部の動物は、合成に必要な酵素がなくビタミンCを合成できないため、食事からビタミンCを摂取しなければなりません。ビタミンCの化学名は、アスコルビン酸で、生体内では通常還元型のL-アスコルビン酸または酸化型のL-デヒドロアスコルビン酸の形で存在しています。
ビタミンCの吸収と働き
ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれ、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物です。ビタミンCが不足すると、コラーゲンが合成されないために、血管がもろくなり出血を起こします。これが壊血病です。壊血病のそのほかの症状としては、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。また、毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあるほか、皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用や、ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
最近はビタミンCの抗酸化作用が注目され、がんや動脈硬化の予防や老化防止にビタミンCが有効であることが期待されています。
ビタミンCの1日の摂取基準量
ヒトはビタミンCを体内で作れないため、成人では1日の推奨量が100㎎(2015年版食事摂取基準)と設定されています。また、通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません
しかし、ビタミンCの摂取量と排泄量を考えると、通常の食事以外に、サプリメントから一日当たり1,000㎎以上のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。
ビタミンCが不足するとどうなる1)2)
ビタミンCが不足すると壊血病、皮下出血、骨形成不全、貧血になるおそれがあります。
ビタミンCは水溶性ビタミンであり、余剰分は尿と一緒に排出されるため過剰症はないとされてきました。しかし、近年、ビタミンCの過剰摂取により、虚血状態により組織や細胞中の酸素濃度が低下した場合には、活性酸素を産生し、細胞死を引き起こす可能性が示唆されています。まだはっきりした結論は出ていませんが、サプリメントなどを利用する際は注意しましょう。
ビタミンCを多く含む食品
ビタミンCは、主に野菜や果物、じゃがいも、サツマイモなどに多く含まれています。100g中に含まれているビタミンC量を以下にまとめます。
- 赤ピーマン:170mg
- 黄ピーマン:150mg
- ブロッコリー:120mg
- キウイフルーツ(黄):140mg
- 菜の花:110mg
- キウイフルーツ(緑):69mg
- イチゴ:62mg
- ネーブル:60mg
- レモン果汁:50mg
- キャベツ:41mg
- ジャガイモ:35mg
- サツマイモ:29mg
調理によるビタミンC量の変化
水溶性ビタミンのビタミンCは、茹でると煮汁に溶け出して損失します。また、熱に弱いため、加熱によっても失いやすくなります。ビタミンCを効率良く摂取するには、水や熱に接する時間を短くしたり、煮汁ごと飲めるスープにしたりするのがおすすめです。
調理の影響を受けやすい特徴がありますが、ビタミンCがデンプンに包まれているジャガイモやサツマイモは比較的熱に強いといわれています。
不足しがちな食生活
ビタミンCは野菜や果物に多く含まれているので、炭水化物やタンパク質中心の食事をしていると不足しがち。例えば、朝食にトーストと目玉焼きだけ、昼食にラーメンだけなどのメニューです。ほかの食事で野菜や果物を摂れていれば、ビタミンCは不足しにくいですが、忙しくてバランスの整った食事が摂れない場合は注意しましょう。
ビタミンCを多く含む食品で、手軽に食べられるのはサラダや果物です。皮を剥く必要のないイチゴやカットフルーツなどは食べやすいのでおすすめです。
また、加熱時間が長い煮物や下茹でが長い野菜は、ビタミンCの損失が多くなるとお伝えしました。野菜の副菜を作るときは加熱する料理だけでなくサラダなど、生のまま食べられるメニューを加えるとビタミンCを効率良く摂り入れられます。