体調管理の基本は「足し算」ではなく「引き算」
基本的な身体のスタミナは、30歳までで決まると言われています。
身体のスタミナを若いうちにしっかり貯蓄して、さらに倹約するのがベスト。若いうちにしっかり貯蓄しても、浪費すればすぐに破産。
このスタミナの考え方は資産運用の考えと似ています。若いうちに貯蓄できていなくても、ちゃんと倹約すればベター。
若いうちに貯蓄ができていないくせに、浪費癖もあれば……どうしようもありません。
周りを見渡していただくと、一見身体が弱そうに見えて、長生きしている高齢者の方々がいらっしゃることでしょう。
なぜ、彼らは長寿を手に入れることができたのでしょうか。
逆に、運動神経抜群の人が、突然死に見舞われるケースもよく耳にします。たとえ、体力気力が優れたとしても、体力気力を無駄に消費する生活を続けていると、健康寿命には逆効果だと言えるでしょう。
何も食べないほうが回復につながる
30代まで、夜更かしをし、お酒を飲んで身体を酷使した生活を送ってきたとしても、東洋医学には、効果的な体調管理で、老け込むスピードを緩やかにすることができる知恵があります。
それが「養生」という生活習慣で、体質別に「いい休息」の取り方を教えているのです。年をとるごとに現れる「腎虚体質」の方にも取り入れてほしい休息法です。
例えば、皆さんは、疲れを感じた時、どう対処しようとするでしょうか?
たいていの方は、パワーの源になるような食事をとって回復させようとします。
実は東洋医学から考えると、これは逆効果になります。
もちろん、体力を補うための食事はありますが、この方法が効果的なのは、それほど疲れていない人や基礎体力がある人だけです。
そもそも、老け込み症状が出て、パフォーマンスが落ちている人は、胃腸が弱っているため、食べ物を消化する体力が働いていません。
東洋医学が考える「いい休息」とは、栄養を補給するだけではなく、引き算の発想も大切にしています。
つまり、「何も食べないこと」がかえって、身体の機能を回復させることにつながるのです。
食べるということは人にとっては、「体力が要る仕事」だと知っておきましょう。
人は疲れると眠くなります。腎の働きを回復させるための反応です。
覚醒している間にずっと働き続けている脳を休ませて記憶の整理をさせている間に、成長ホルモンを分泌して、酷使した身体をメンテナンスする時間でもあるのです。
また、自律神経もリラックスモードに入り、心臓の働きをスローダウンさせる時間でもあります。 これらのリセット機能を一言で表現しているのが、東洋医学で言う「腎の働き」なのです。
ですから、時に、効率よく体力の地固めをするためには、腎の働きを休息させてあげるのが、体調管理には一番という選択になるのです。
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